どのようにSNS離れは起こるのか?

いま多くの SNS が徐々にユーザーを取りこぼし始めている一方、新規に加えそれらのユーザーを一人でも多く拾おうと他の新型 SNSサービス が必死になってアプローチを掛けている。

” なぜ大きくなり過ぎたSNSは急降下の道を辿るのか? “

そんなことを考えているうちに、ひとつの面白い結論に辿り着いた。
それは 「プライバシー開放率」 と 「大人の参加率」 によって変化するという独自の論理である。

● プライバシー開放率
この 「プライバシー開放率」 というのは、僕が以前から勝手にそう呼んでいるのだが、簡単に言うと “そのサービスを楽しむためには、自らどの程度のプライバシーを解放するべきか” ということ。
例えば… 氏名/年齢/居住地/連絡先(メールアドレス)/学歴/家族構成 などの基本的な個人情報から 位置/仲間(交友関係)/リアルタイム行動(分布)/アクセス時間/ログイン状況 といった付加的な詳細情報まで、多くのプライバシーを公開できるサービスがあるとする。
もちろん、このような個人情報の殆どはプライバシー設定から 「公開」「非公開」 を選択することができるが、あなたならどの程度を公開し、どの程度を非公開にするだろうか。

大事なのはココで、何でも隠せばいいというものではない。
逆に、何でも晒すことがサービスへの充実に繋がるわけでもない。
自らが、そのSNSを利用する目的に於いて、どのような目的で活用(楽しむ)かを判断し、臨機応変に 「公開」 or 「非公開」 を選択するということである。

これらの感覚がユーザー意識とサービス提供者の間で食い違うことにより、利用者数に大きな変化が出るのではないか。

 

● 大人の参加率
これはとても単純で、ここでいう 「大人」 とは、子供視点から見た “おとな” である。
成人とかではなく、どちらかと言えば 「保護者」 に近いものがある。
若者はムーブメントを生み、更にそれらを育て上げる第一人者であるが、SNSユーザーの数が増加し成熟を迎える頃には 「大人」 の利用者が急激に増してくる。
それは、SNSサービスの成功を意味する一方、子供にとっては監視人の増加を意味する。

親子でSNSを仲睦まじく利用することは一見良いことのようにも感じるが、子供からしてみれば鬱陶しいに他ならない。
親に一日中、全ての行動や発言、交友関係から全てのプライバシーを監視されているわけで、誰だってそんなものから抜け出したいと思うのは当然。ユーザーを特定して非公開設定なんかした日には、余計に怪しまれるだろう。

こうなると針の筵である。
ユーザー数の大半を占めていた子供達はこぞってそのサービスを利用しなくなる。

 

もちろん原因はもっと複雑であることは言うまでもないが、単純に 「サービスに対する”飽き”」 の他にも、大きなSNSサービスの利用者数が急降下するときは、これらの要因が引き金になっていることが多いような気がする。

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