“Windows XP”のサポートが本日終了

過去最高の出来ではないかと思われる、使い勝手の良さと安定感のあった Windows OS の代名詞「Windows XP」のサポートが本日(2014年04月09日)をもって終了します。
まぁ、なかには「Windowsの最高峰は 98 だぜ!」とか「いやいや、Windows自体が画期的なOSなんだから 95 だろ!」とか色々あると思いますが、いわゆる “パソコン” というものが広く一般家庭に広まり、一家に一台、やがて一人一台なんていう普及を見せたのも XP の時代でしたから。
もちろんその裏には、部品コストの低価格化と、インターネット(特にxDSL)の普及という相乗効果があったからこそなのは言うまでもありませんが…。

さて、本日でサポートが終わるものは Windows XP (OS)だけではありません。XP時代に多く普及した「Office 2003」「Internet Explorer 6」も同時にサポートの終了を迎えます。馴染みのある製品、ブラウザですね。
では、その中でもメインとなる Windows XP のサポートが終了すると何が起こるのか…について考えてみましょう。

<Windows XP のサポート終了後はどうなるの?>

そもそもOSを提供するMicrosoft(以下:MS)は、OSのセキュリティーの弱点を修正するためのプログラムを、月一回のペースで出していました(もちろん現行のOSは継続中です)。そして、そのOSに照準を合わせてソフトウェア会社をはじめ各社が製品やサービスを提供してきました。
しかし、そうしているうちにも「Windows Vista」「Windows 7」「Windows 8」と新たなOSが誕生し、いつまでも過去のOSである Windows XP の相手ばかりしていてもコストばかりが掛かってしまう状態になります。更には、ソフトウェア会社やサービスを提供する各社も、OSの種類が増えれば製品を対応させるのが大変になってきます。
そういった様々な意味合いも込めて、このOSの修正プログラムが一定の期間で打ち切りになるように定められています。

サポート終了後はこれらのサポートが受けられなくなりますから、OSに今後何らかの問題点が見つかったとしても、その問題点が修正されることはありません。対応するソフトウェアやサービスも一気に減っていきます。場合によっては、サポートが終了したからこそ、そこを狙って悪行を働く輩も増えます。
言い換えれば「車検も定期点検もしてもらえず、交換部品や消耗品の生産も終わった状態の車に乗り続けること」と同じです。いつ、どこで、なにが起きようが、泣こうが、喚こうが、誰にも責任を取ってもらえない状態。

ただ、これだけならまだ良いんですよ。だって本人だけの問題で済むからさ。
本当に問題となるのは他人を巻き込むことで、サポートが終了したXPを使って作業したデータとかを他人に渡して、その渡された人が間接的に被害に遭ったり、ネットワーク内にXPユーザーが居ることにより、そのユーザーが導線となって他のユーザーに迷惑を掛けることだったりするのです。

 

<ではどうすればいいの?何に気を付ければいいの?>

①先ずは「Windows XP」の利用を避けること、即ち Windows Vista 以上のOSに乗り換えること。
お薦めは「Windows 7」です。安定性はもちろん、現在の各ソフトウェアの多くは Windows 7 を確実にサポートしているからです。もちろん長い目で見れば「Windows 8」という選択肢が良いのかも知れませんが、企業や中規模オフィス等のビジネスシーンを考慮すると、やはり従来のXPに変わるOSは「Windows 7」かなぁ…と。
可能であれば、一日も早く “脱Windows XP” を試みてください。
※一般的なユーザー(企業や団体等では無い個人やオフィス)の方々は「Windows 8」への乗り換えをお薦めします。数年後また「Windows 7」のサポート終了が…と騒がれる日が来ますから。

②安全が確実に保証されているソフトウェアのみを使用し、ネットワークには接続しない。
Windows XP を完璧にアップデートした上で、使用するソフトウェアを限定的かつ絶対的な保証があるもののみ使用することです。そして、外部からの侵入を出来る限り防ぐ為にも、最低限としてネットワークを遮断します。
即ち、特定のソフトウェアのみを、特定の目的でのみ利用し、完全に孤立した状態で利用するということになります。

③サーバー主体のプログラム制御に移行する。
これは企業や団体といった規模のケースが殆どになりますが、何らかの理由でどうしても Windows XP を外すことが出来ない場合、プログラムやデータ、ネットワーク管理の全てをサーバーに置いて管理し、ユーザーは常にそこを介して Windows XP を利用するという仕組みを取ることです。
これにより、サーバー側でプログラムやデータは管理され、データを扱うときのみOS上で動くことになります。そして、データがOSとサーバーを行き来する度にチェックされ、ネットワークはサーバー経由で行われる為、単独でネットワーク接続して利用するよりも多くのリスクを回避することが可能になります。
しかし、それなりのコスト、技術や管理の知識、継続的な費用が掛かります。

結果的には、 XP を卒業して新たなOSの利用を考えること(ゆっくり考えている暇は無いが…)です。

 

<その他に気を付けることは?>

・先ず、皆さんがデータの受け渡しで頻繁に利用するであろう「USBフラッシュメモリー」や「各種メモリーカード」といった記憶媒体ですが、XP環境を利用している方はそれらの容易な使用は避けるべきです。もちろん受け取る側も慎重に扱ったほうが良いでしょう。
“自分はもう新たなOSだから大丈夫だ!”なんて安心していいものではありません。

・次に、サポート終了後も「(企業や団体を中心に)XPユーザーが15~20%は残る」という現実を覚えておくことです。これだけアナウンスされているんだから…これだけデメリットが多い状態になるんだから…と、誰もが近日中に改善策をとることはありません。先にも述べたように、どうしてもXP環境でなければ成り立たない業種もありますし、簡単に移行できる企業ばかりではありません。これから数年経っても、まだまだXPユーザーが居るということを頭の片隅に置き、そういった環境とどのように接していくべきなのか対策を練ることです。

・最後は「セキュリティの強化を図る」ことです。単にウィルスソフトを導入して最新の状態を維持することだけでなく、データの保管方法、バックアップの多重化、受け渡しデータの信憑性といった、当たり前のことを今一度見直してみることが重要になるでしょう。
データのメール添付ひとつとっても、7割以上のユーザーが基本的な方法で行えていなかったりします。

 

これもひとつの大きな節目ですので、XPユーザーの方はXPに感謝と涙の別れを告げ、新たな環境で新たな一歩を踏み出してください。

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