安価なイヤホンを聴き比べてみた

いままでに何度かこの話題について触れようとしたが、その度に敢えて触れない選択肢を選んできた。
なぜなら、結論に “個人差” が大きく影響するからだ。そして何より、感覚を言葉(テキスト)に置き換えて伝えるのは極めて困難な為でもある。

しかし先日、安価なイヤホン(5,000円前後)を探していたところ、相変わらずな現実を目の当たりにしたので、個々の具体的な特徴や評価ではなく、総体的な 「感想」 として簡単に書いてみようと思う。

 

<価格帯・第一印象>

イヤホンに限らず、種類が豊富モノを選ぶときには誰だって比較する。
だから “3,000円 ~ 8,000円” くらいのイヤホンを15~20種類程度、聴き比べてみた(イレギュラーとして “30,000円~70,000円も)。
それぞれに様々な個性をもったイヤホンばかりで、最近(近年)のイヤホンは安価なものでも非常によく出来ている。
これが第一印象。

 

<音のバランスを聴き比べてみた>

「高音域」「中音域」「低音域」と、大きく3つに分けてイヤホン特性を聴き比べてみる。
持ち込んだ楽曲は、iPhoneに入れた “ジャズ・クラシック・ポップス・メタル” の4ジャンル。オーディオ形式は全て 「WAV (同ビットレート)」 で統一した。
結果…
80% のイヤホンが、低域をブンブン出し、高域を無理矢理に持ち上げた音。俗にいう 「ドンシャリ系」 だ。
10% のイヤホンが、中域に基準を置き、全体的にバランスを計った音。
10% のイヤホンが、あまりにも酷い音。
といった感じだ。

こんなにも低域をブンブン出すようなイヤホンばかりなのか…と驚いた。

 

<どのように聴こえるか>

● ドンシャリ系(高・低域)
まずジャズやクラシックだが、低域を無理矢理ブーストして 「どうだ!この厚みのあるサウンド!」 という、キチガイなイヤホンでは聴くまでもない。ジャンルを超えて、何か別のものに聴こえる。再生して2~3秒で停止ボタンを押したのは言うまでもない。
次にポップスだが、爽やかさはどこにもない。夏の爽快さなぞ知ったことか…だ。
メタルを聴くとグイグイ来る感じはするが、とにかくグイグイというよりもブイブイ鳴り続けているだけ。
そして全般的に言えることは、音量を絞っていくと低域ばかりが最後まで主張して残り、イヤホンというよりもウーファーを耳に当てているような感覚になる。
店頭にあるイヤホンの約8割がコレで、ネットの評価やAmazonや楽天のようなショッピングサイトで高評価を得ているものの殆どがコレなのである。
そういった現状(ユーザー評価)に一番驚かされる。

● 中音域を意識したバランス系
これに辿り着くのが実は難しい。
個人的には、この価格帯で、大手家電量販店に行けば比較的多く取り扱っているものとして、SONYの 「BAシリーズ」 をお薦めする。
もちろん好みはあるので、この音を “物足りない” と感じるユーザーも多いと思うが、様々なジャンルをそれなりに聴きたいのであれば、無意味に低域ばかりをブイブイ鳴らすイヤホンよりはマシだろう。
音量を上げたり、絞ったりしても、それなりの幅でバランスを維持している。

● あまりにも酷いもの
これについては一言だけ…
「980円で売っても、可哀想ですよ…」

 

<大穴イヤホン>

今回イヤホンの聴き比べをしてみて一つ分かったことがある。
それは、iPhone や iPod に付属している 「Apple EarPods with Remote and Mic」 が実は低価格イヤホンの本命だということだ。
幾つかのイヤホンを聴き比べてみて、この純正イヤホンに戻ってみると実に心地よい。しかもイヤホン単体で購入しても 「2,900円(税別)」で購入できてしまうというコストパフォーマンスが最高のイヤホンなのである。
だから、純正イヤホンを使っていながら、更に良いバランス重視のイヤホンが欲しいというユーザーは、同価格帯での購入に期待しないほうが良いかも知れない。
強いて言えば、インイヤー型のイヤホンに変えたいとか、もう少し個性を変えて買い足してみたいと目的を持ったユーザーが選ぶには良いだろう。

 

<結論>

大穴イヤホンがまさに 「結論」 とも言えるのだが、別の視点から結論を出すとすれば…
“ネットユーザーの高評価 = 良いイヤホンとは限らない” ということである。
事前に幾つかの高評価イヤホンをチェックし、実際にその音を聴いてみたが、僕の耳にはどれも合わなかった。全て2~3秒で停止ボタンを押したイヤホンばかりだった。
この価格帯で僕が星4.5以上(★★★★★)を付けられたイヤホンは、実際のネット評価だと星3~3.5(★★★☆☆)のものばかりという結果に。

あくまで僕個人の見解なので、そのイヤホンについての言及は避けるが、結果的に何を言いたいのかと言うと…
特にイヤホンは評価など気にせずに、自分の耳で評価して購入したほうが良いということ。

50,000円を超えるようなイヤホンも幾つか視聴しました。
たしかに良いものは良いですが “えっ!嘘でしょ!?” というものもありました。

安価であろうが、せっかくなら自分に合ったイヤホンを選びましょう。
それは、足を運んで、聴き比べて、自ら評価をするしか無いということです。

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