SNSに疲れた人向けのSNS

タイトルからして「結局SNSなの?」という本末転倒なオチを言っているようでありますが、今回はSNSというよりも個々(ユーザー)自身の“ライフスタイル”とか“範囲(距離感)”みたいなことを書いていこうかと思います。

先日も述べたように現行SNSの評判が著しく低下しています。評判というより「熱量」といったほうが適切かも知れませんね。
特にステータス化してしまった「Faceなんちゃら」とかは、内容の9割が “ねぇねぇ、見て見て、聞いて聞いて” で埋め尽くされていて、同時に “仲良いフリし合いの広告合戦” が繰り広げられています。
直接だろうと、遠回しだろうと、私はそんなんじゃないよアピール入れながらだろうと、とにかくPCやスマホを覗けば「私(僕)ってすごいでしょ~?」という固まりが飛んできます。
そりゃぁ誰だって嫌になりますよ。発信者が得る “満足感” の、数十倍…数百倍という “憤り” で埋め尽くされているわけですから。

だから…とりあえず逃げます。そして、脱SNS状態で数日間考えます。
「そもそもSNSってそんなに重要(大事)か?」
「SNSが無いと本当に困るか?」
「より快適な暮らし(日常)が出来て(送れて)いるか?」
とね。
その答えの多くは「いや~、かえって窮屈で面倒になっているだけだった!」です。
逃げている数日間はちょっと不安になるかも知れませんが、2週間も経てば「あ~、なんか最近気分が良いなぁ~」なんて言っているケースが殆どだったりします。
やがて「じゃぁ、このまま(逃げたまま)戻るのやめよう!」ってなるんですね。

これで、完全に「SNSなんて全く要らね~や!」ってなれば問題ないのですが、なかには「でも、本当に仲良いグループとだけは情報を共有したいな~」と思う方もいると思います。
(いや、本来のSNSはこういうシンプルなところから始まっている筈なのですが、いつの間にか大きくなってしまって、その大きさと引き替えに多くの無駄が付いてしまったんですよね。)

そんな混沌としたSNSから逃れたユーザーの漂流先として、理想的な「小規模SNSサービス」が数多く出てきています。
特徴としては、極めて閉鎖的であるということ。勿論、良い意味でのクローズなサービス展開をしていて、本当に小さなコミュニティを簡単に作ることが可能です。

折角なので、その一部を紹介いたしましょう。

 

Pairy
特徴 : ユーザー数2人という「カップル」を対象としたサービス。
pairy

<解説>
とにかくカップルが朝起きてから夜寝るまでの行動や出来事を、更にはスケジュールを発信・記録しながら共有することを目的としています。敢えて別のキャッチコピーを用意するなら「あなたのことは全て知っているのよ!」ですね。
捉え方によっては、かな~り重いですね。いやぁ~怖いですね~。これが原因で喧嘩にならないことを願います。

 

Between
特徴 : ユーザー数2人という「カップル」を対象としたサービス。
between

<解説>
こちらも「Pairy」同様に、カップルが二人だけで繋がるコミュニケーションサービスです。
こういうのって、遠距離とかならまだ良いかも知れませんが、やはり常に会える距離でいるカップルが利用するのはどうなのかと…。
ま、その辺は個人の勝手ですが…。

 

Close
特徴 : ユーザー上限20人という、小規模グループウェア。
close

<解説>
サービス開始当初の最大ユーザー数は9人だったように記憶しておりますが、どうやら現在は「20人」に増えたそうです。
うん、確かに20人っていうのは適切かも知れませんね。そしてこのサービスのもう一つの特徴は、双方がフォローし合っていることで始めて内容をシェアすることが可能だという点です。
個人的にはこの「20人」っていう数字は、いろんな関わりの中で適正な数字のような気がするので、凄く魅力的だと感じています。

 

Path
特徴 : 上限150人の、小~中規模グループウェアのパイオニア的サービス。
path

<解説>
個人的に長く利用しているグループウェアです。そもそも「Faceなんちゃら」は、そう長くは続かないだろう…と思っていた数年間に、このサービスを並行して利用しています。グループの範囲としては「仲の良い友人と、その友人を介した友人」とか「家族、親戚、それらに付随した関わりの濃い人」くらいです。「3親等~4親等」と言ったほうがイメージとして分かり易いかも知れません。
本当の意味での “グループ” という繋がりに適したサービスです。
内容としては、「起きたよ」「寝るよ」「テキスト」「画像」「ここにいるよ」「こんな曲聴いているよ」という、ちょっと親密度がありながらシンプルな機能となっていて、面倒な機能は全て排除されています。

 

wellnote
特徴 : 家族限定サービス。
wellnote

<解説>
家族限定であり、子供の成長記録サービスです。
夫婦と、その親兄弟程度の範囲で成長記録を共有するサービスとなっています。身長や体重をグラフ化して記録・共有したり、スタンプを使ったトーク(チャット)機能も搭載されています。単に子供の成長記録をとるだけでなく、なかなか会いに行けない距離にいる家族と繋がるには良いサービスかも知れません。

 

kazoc
特徴 : 「家族」をテーマにしたグループウェア。
kazoc

<解説>
サービス名の通り、こちらも「家族」をテーマにしたサービスです。もちろん家族というよりも「子供の成長記録」をメインに、子育てを通して家族との連携を図る内容になっています。
こういうのって最終的にアルバムなり、それなりのレイアウトに揃えられたプリントアウトに対応していたりするのでしょうか…。じゃないと、やるだけやって、時期が来たら何も残せず終了なんてこともあるの?

 

KiDDY
特徴 : 「子育の成長記録」を写真に特化させたサービス。
kiddy

<解説>
こちらも「子育て」がメインになるのですが、更に「写真」という観点にアプローチを限定しています。
毎日写真を撮り、コメントやメモを加え、とにかくそれを続ける…。とてもシンプルなので、他のサービスと併用して利用出来るようなサービスですね。もちろんグループウェアなので、成長記録を家族限定で共有することが可能です。

 

note
特徴 : 個人発信をメインとした、機能削減SNS。
note

<解説>
最後は、これまでの流れと違い「(少し広い範囲への)個人発信」を目的としたサービスです。
僕は、これまで(これからも)幾度となく「ドメインを持て!」と言い続けてきましたが、これらはいきなりその領域には踏み込めないユーザーが、発信方法だけでなく「発信内容(個人のテーマ)」を見つけるためのステップだと捉えています。noteの場合「テキスト」「画像」「サウンド」「ムービー」が基本となっていて、他のフォロワーに対して「スキ(いいね!と同じ)」を付けることができる。
SNSの利点を活かしながらも余計な機能は排除しており、使い方によってはブログのように組み立てていくことも可能なので、まさにユーザー色が強く反映される “パーソナルネットワーキングサービス” になるでしょう。

 

…ということで、今回は「(現行)SNSに疲れた人向けのSNS」というテーマで書いてきました。
僕の個人的な意見ですが、ここ最近現行のSNSに疲れを感じている人は、その感覚がある内に次の手段を考えておいたほうが良いと思います。このSNS時代に潜む恐怖のひとつは「いつの日か感覚さえも麻痺し、やがて勝手に爆発して、後にネットワーク恐怖症になる」ことです。
これからの時代、やはり「繋がる」ということはとても重要になります。その繋がりが現在よりももっと透明化されて、自然なものになっていくことは間違いありませんが、重要度だけで言えば現在よりも遙かに重要になっていくことは確かです。
慣れて感覚が薄れていくことは本当に紙一重で、それと同時に常に表裏一体で、それが善としての「慣れ」であれば良いのですが、それが悪としての「麻痺」だとしたら、ちょっと大変なことになってしまうかも知れないということです。
だからこそいま、SNSという新たな波に乗ってみて感じている「?」の行き場を、しっかりと個々に合った場所へと導いておくことが必要なのだと思います。

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