おむつ3大ブランドを比較検証してみた BLOGタグ: blog, lifestyle 僕が小さかった頃、おむつと言えば手洗いで使い回す布おむつが一般的で、紙おむつはいまよりも遙かに高価であり、遠出するときくらいしか使わなかったと母から聞いた記憶があります。 もちろん布おむつはコスト面だけでなく、育児面でも多くのメリットがあるので、いまでも利用しているご家庭はたくさんあると思います。 とはいえ、主流はやはり「紙おむつ」。自宅でも出先でも、サッと取り替えて、クルッとしてポイッの手軽さですからね。近年のとあるアンケートでは「紙おむつ=95%」「布おむつ=5%」という結果が。はやり紙おむつですね。 それよりも驚いたのは、ここ数年は子供用おむつよりも、大人用おむつのほうが売れているのだとか。高齢化社会の一端を見た気がします。 さて、今回はタイトルにもあるように“紙おむつ比較”をしてみたいと思います。 現在の主流おむつというと… ・パンパース ・ムーニー ・メリーズ ・グーン ・ゲンキ の5ブランドでしょうか。 今回はその中でも人気の高い 「パンパース」 「ムーニー」 「メリーズ」 の3ブランドを比較してみたいと思います。 ※タイプとサイズは「テープ」「Sサイズ」での比較となります。 【Pampers/パンパース(P&G)】 「産院使用率No.1」は有名で、紙おむつ界のパイオニアとも言われている安心感あるおむつパンパース。 最近、大きな改良が加えられたり、通気性がアップしたりしているようです。 <特徴> ● 産院使用率No.1 ● 最長12時間吸収 ● 通気性UP! ● 2倍伸びる「のびのびストレッチ」 ● 素肌と同じ「弱酸性シート」 ● 1枚多い「さらさらシート」 ● サイズ19%アップ(Sサイズのみ) <絵柄/キャラクター> ● しまじろう <検証> ● 収納された状態 ▲(比較しないと分かりにくいですが)とてもコンパクトです。 ● 展開した状態(上) ▲サイドギャザーのテンションが強く、アーチ状に広がる印象。 ● 展開した状態(横) ▲横から見るとアーチ状に広がる様子がよく分かる。 ● サイドギャザー ▲横漏れを防止する、通称「立体サイドギャザー」がよく立っている。 ● 給水シート ▲表面のシートはツルツルというよりも、綿状で「サラサラ」していて手触りが良い。 ● テープ ▲他ブランドより「比較的小さめ」のテープ。何度も貼り直すことが可能。 ● おしっこお知らせライン ▲おしっこお知らせライン周辺にあえて絵柄を配置しないことで、ラインがとても見やすくなっている。 <検証結果> サイズが他ブランドよりも小さい印象だが、それをカバーする「伸縮性」と、絶妙な「カーブ設計」により、3メーカーの中で最も身体にフィットする作りになっている。 立体サイドギャザーの作りも他ブランドを圧倒している。 絵柄がシンプルなので、見た目での印象は他よりも劣るかもしれないが、全てにおいてバランスの良い作りになっており、産院使用率No.1というのも頷ける。 【moony/ムーニー(ユニ・チャーム)】 「履かせやすいおむつNo.1」のムーニー。 やらわかカーブの新形状と、背中漏れとサイド漏れに注意を払った設計となっている。 また、子供に人気の「くまのプーさん」を優しい色でふんだんに飾った絵柄も人気を後押ししている要因。 <特徴> ● しめつけず「まる~くフィット」 ● 太ももまわりの隙間漏れ防止、脚繰りにフィットする「カーブレッグギャザー」 ● 新改良の「背中漏れ防止のび~るフィットギャザー」 ● 最長12時間吸収 ● 「エアーシルキー素材」でやさしい触り心地 <絵柄/キャラクター> ● くまのプーさん <検証> ● 収納された状態 ▲3ブランドの中で全長(腰から股にかけて)が最も「長く」設計されています。 ● 展開した状態(上) ▲全体的にフワッと柔らかく広がる印象。 ● 展開した状態(横) ▲パンパースに比べカーブのテンションが若干弱く、全体的に柔らかい印象。 ● サイドギャザー ▲全体的に素材が柔らかいので、立体強度が弱く感じてしまう。それでもサイドギャザーはしっかり立っている。 ● 給水シート ▲表面凸部の「エアシルキー素材」で素早く吸収し、奥の給水体まですばやく流し込む設計。感触は「モフモフ」と弾力を感じる。 ● テープ ▲何度でも付け外しが可能で、段差の少ないテープ。良くも悪くも3ブランドの中でも最も「テープ」という印象が薄い。 ● おしっこお知らせライン ▲全体的にくまのプーさんの絵柄があしらわれて華やかだが、そのせいで「おしっこお知らせライン」が見づらい。 <検証結果> 3製品の中で最も手触りが良く、子供ウケが良さそうなデザインになっている。 逆に、3製品の中で最もサイズが大きい。 新改良の「のび~るフィットギャザー」も良いが、なんとなく全体の大きさで後ろ漏れをカバーしているような印象。 手触り、肌触りはダントツ! 【Merries/メリーズ(花王)】 「通気性No.1」のメリーズ。 通気性を謳う「さらさらエアスルー」効果と、凸凹構造の「エアリーメッシュ」で通気性バツグン! 更に新採用の「軟便ひきこみシート」で、うんちの水分までも吸収してくれるため漏れにくく蒸れにくい構造となっている。 現在「テープタイプ」は、中国圏からの買い占めで流通量は極めて少ない。その影響で店舗やネット通販での販売価格が高騰している。 <特徴> ● 通気性ばつぐん! ● 新採用の「軟便ひきこみシート」 ● やわらかさアップ ● 通気性ばつぐんの「エアリーメッシュ」 ● 圧倒的な吸収速度 <絵柄/キャラクター> ● うさちゃん (※メリーズオリジナル?) <検証> ● 収納された状態 ▲パンパースよりも若干大きく、ムーニーよりも若干小さい、手頃なサイズ。折り畳んだ厚みは3ブランドともそれほど差は感じない。 ● 展開した状態(上) ▲何の抵抗もなく展開できる印象。3ブランドの中で最も薄い触感。 ● 展開した状態(横) ▲3ブランドの中で最も立体感が無い。立体サイドギャザーも直線的。 ● サイドギャザー ▲全体的に平坦で直線的な構造の為、立体サイドギャザーが自然と立たない。テンションも弱い印象。 ● 給水シート ▲独特の構造で「吸水性」と「通気性」が良い。「軟便ひきこみシート」構造。手触りは良いが厚みのある触感はそれほどでもない。 ● テープ ▲テープ部の手触りが他と異なる為、暗い場所でもテープを探しやすい。何度でも張り替えが可能。 ● おしっこお知らせライン ▲全体にあしらわれたカラフルなデザインに埋もれるように、薄いイエローかつ細い3本線のラインが非常に見つけにくい。 <検証結果> 3製品の中で最も特徴が少なく、簡易的な構造。 通気性や吸収性の限界値を超えると、横漏れや後ろ漏れしてしまうほど密着感(立体感)が無い。 【吸水実験】 3ブランドを並べ、それぞれに100cc(100ml)ずつ加水して「吸水性」と「給水量による変化」を調べてみた。 ● 100cc ▲この程度であれば、どのブランドも一瞬で吸収する。表面もサラサラ。 ● 200cc ▲まだまだ余裕で吸収する。表面を手で触ると塗れた感覚は伝わってくるが、まだサラサラしている。 ● 300cc ▲吸収するタイミングが鈍くなってきたが、まだしっかり吸収する。表面を触ると、さすがに「濡れている」という感触。給水シートはジェルのようなものが膨らみ、かなり厚くなってくる。 ● 400cc ▲なんとか吸収していくが「ムーニー」と「メリーズ」は表面に水滴が残ることもあった。時間が経てば吸収されていた。既に給水シートは更に膨らみ「1cm」程度の厚さに。 ● 500cc ▲通気性バツグン!を謳う「メリーズ」の表面に水分が残るようになった。ムーニーもそろそろ苦しそう。パンパースは水滴を残さず吸収していったが、そろそろ限界だろう。 <実験結果> あくまで「吸水量」に特化した実験だったが、最も優秀だったのは「パンパース」だった。 逆に吸水性と通気性を謳う「メリーズ」は、最も給水効率が悪いという結果に。 おしっこを500ccも出す前に、子供が泣いて知らせてくれるなり、親が気付くなりして交換すると思うが、もしおしっこをたくさんしてしまい交換が出来ない状況ではメリーズの漏れが最も心配。 そして10分後… 放置してみて、改めて表面を触ってみたらビックリ! メリーズは10分前とそれほど変わらない濡れ具合だったが、「パンパース」だけがサラサラした手触りになっていた。逆にムーニーが最も濡れていた。 これには驚き! 「最長12時間吸収」と「通気性アップ」に、より信頼度が増した。 <給水シートの長さ> 給水実験を行ってみて気付いたのが給水シートの長さ。 ▲パンパース(写真左)が最も短いのかと思っていたらそうでも無かった。ムーニー(写真中央)はおむつサイズに比例して長い。メリーズ(写真右)がわずかではあるが最も短く腰回りの面積が大きい。 【総評】 あくまで個人的な見解ですが、検証結果と実験結果から感じた印象を星(★)評価してみたいと思います。 ● 密着性 ・パンパース ★★★★★(5点) ・ムーニー ★★★★☆(4点) ・メリーズ ★★★☆☆(3点) ※密着性に関しては、赤ちゃんの体格や体型の個人差があるので一既には言えないが、構造を見る限りでは「パンパース」に軍配が上がる印象。 ※ただ、比較的小さいのでサイズ選びには注意したほうが良さそう。 ● 吸水性 ・パンパース ★★★★★(5点) ・ムーニー ★★★★☆(4点) ・メリーズ ★★★☆☆(3点) ※吸水性はメリーズかと思いきや「パンパース」に軍配。しかし、給水実験のようにおしっこを500ccも出す前に交換すると思うので、その場合はメリーズにも期待できる。 ※ムーニーは可もなく不可もなくで安定している。 ● 通気性 ・パンパース ★★★★☆(4点) ・ムーニー ★★★☆☆(3点) ・メリーズ ★★★★☆(4点) ※通気性は「パンパース」と「メリーズ」に軍配。 ※ムーニーは給水シートの濡れた状態が続くのでマイナス点。 ● 経済性 ・パンパース ★★★☆☆(3点) ・ムーニー ★★★★☆(4点) ・メリーズ ★★★☆☆(3点) ※パンパースは比較的高めだが、店頭価格やネット販売価格を見てみると、それほどでもないのが現状。 ※本来メリーズは比較的安価な商品で人気もあったが、中国圏の買い占めの影響もあり驚くほど高騰している。 ※ムーニーは安価で安定した価格推移で高評価。 <総合得点> ・パンパース 17点/20点 ・ムーニー 15点/20点 ・メリーズ 13点/20点 個人的な現時点での評価は「パンパース」が最も印象が良い結果となりました。 パンパースには更に高品位シリーズで紫色パッケージの「はじめての肌へのいちばん」シリーズがあります。 これは「かぶれない」「モレない」「やわらかい」の3大要素に徹底的に拘ったシリーズです。少々高価ですが、お肌が敏感なお子様や、更に上質なおむつをお求めの方にはオススメです。 とはいえ、何度も言うように、もっとも適するおむつ選びには個人差があります。お子様の体格や体型に合ったおむつが、この検証(実験)結果と同じとは限りません。 そして、日進月歩で改良され品質や機能も向上し続けています。 僕の周りでもそれぞれ評価は異なりますし、この3ブランド以外のブランドを愛用している方もたくさんいます。 今回の検証(実験)も、現時点での3ブランドの「テープタイプ」「Sサイズ」に限った結果で、時期はもちろん、サイズが変わったり、パンツタイプになれば違った結果になるでしょう。 ですので、この内容や結果は“はじめてのおむつ選びのヒント”としてご活用いただければ幸いです。 ご自身のお子様に合う紙おむつが見つかるまで幾つかの商品を試し「ウチの子にはこのおむつが一番!」というものが見つかれば、それがお子さんにとって最も良いおむつだと言うことでしょう。 2015/08/20 0
おむつ3大ブランドを比較検証してみた
タグ: blog, lifestyle
僕が小さかった頃、おむつと言えば手洗いで使い回す布おむつが一般的で、紙おむつはいまよりも遙かに高価であり、遠出するときくらいしか使わなかったと母から聞いた記憶があります。
もちろん布おむつはコスト面だけでなく、育児面でも多くのメリットがあるので、いまでも利用しているご家庭はたくさんあると思います。
とはいえ、主流はやはり「紙おむつ」。自宅でも出先でも、サッと取り替えて、クルッとしてポイッの手軽さですからね。近年のとあるアンケートでは「紙おむつ=95%」「布おむつ=5%」という結果が。はやり紙おむつですね。
それよりも驚いたのは、ここ数年は子供用おむつよりも、大人用おむつのほうが売れているのだとか。高齢化社会の一端を見た気がします。
さて、今回はタイトルにもあるように“紙おむつ比較”をしてみたいと思います。
現在の主流おむつというと…
・パンパース
・ムーニー
・メリーズ
・グーン
・ゲンキ
の5ブランドでしょうか。
今回はその中でも人気の高い
「パンパース」
「ムーニー」
「メリーズ」
の3ブランドを比較してみたいと思います。
※タイプとサイズは「テープ」「Sサイズ」での比較となります。
【Pampers/パンパース(P&G)】
「産院使用率No.1」は有名で、紙おむつ界のパイオニアとも言われている安心感あるおむつパンパース。
最近、大きな改良が加えられたり、通気性がアップしたりしているようです。
<特徴>
● 産院使用率No.1
● 最長12時間吸収
● 通気性UP!
● 2倍伸びる「のびのびストレッチ」
● 素肌と同じ「弱酸性シート」
● 1枚多い「さらさらシート」
● サイズ19%アップ(Sサイズのみ)
<絵柄/キャラクター>
● しまじろう
<検証>
● 収納された状態
▲(比較しないと分かりにくいですが)とてもコンパクトです。
● 展開した状態(上)
▲サイドギャザーのテンションが強く、アーチ状に広がる印象。
● 展開した状態(横)
▲横から見るとアーチ状に広がる様子がよく分かる。
● サイドギャザー
▲横漏れを防止する、通称「立体サイドギャザー」がよく立っている。
● 給水シート
▲表面のシートはツルツルというよりも、綿状で「サラサラ」していて手触りが良い。
● テープ
▲他ブランドより「比較的小さめ」のテープ。何度も貼り直すことが可能。
● おしっこお知らせライン
▲おしっこお知らせライン周辺にあえて絵柄を配置しないことで、ラインがとても見やすくなっている。
<検証結果>
サイズが他ブランドよりも小さい印象だが、それをカバーする「伸縮性」と、絶妙な「カーブ設計」により、3メーカーの中で最も身体にフィットする作りになっている。
立体サイドギャザーの作りも他ブランドを圧倒している。
絵柄がシンプルなので、見た目での印象は他よりも劣るかもしれないが、全てにおいてバランスの良い作りになっており、産院使用率No.1というのも頷ける。
【moony/ムーニー(ユニ・チャーム)】
「履かせやすいおむつNo.1」のムーニー。
やらわかカーブの新形状と、背中漏れとサイド漏れに注意を払った設計となっている。
また、子供に人気の「くまのプーさん」を優しい色でふんだんに飾った絵柄も人気を後押ししている要因。
<特徴>
● しめつけず「まる~くフィット」
● 太ももまわりの隙間漏れ防止、脚繰りにフィットする「カーブレッグギャザー」
● 新改良の「背中漏れ防止のび~るフィットギャザー」
● 最長12時間吸収
● 「エアーシルキー素材」でやさしい触り心地
<絵柄/キャラクター>
● くまのプーさん
<検証>
● 収納された状態
▲3ブランドの中で全長(腰から股にかけて)が最も「長く」設計されています。
● 展開した状態(上)
▲全体的にフワッと柔らかく広がる印象。
● 展開した状態(横)
▲パンパースに比べカーブのテンションが若干弱く、全体的に柔らかい印象。
● サイドギャザー
▲全体的に素材が柔らかいので、立体強度が弱く感じてしまう。それでもサイドギャザーはしっかり立っている。
● 給水シート
▲表面凸部の「エアシルキー素材」で素早く吸収し、奥の給水体まですばやく流し込む設計。感触は「モフモフ」と弾力を感じる。
● テープ
▲何度でも付け外しが可能で、段差の少ないテープ。良くも悪くも3ブランドの中でも最も「テープ」という印象が薄い。
● おしっこお知らせライン
▲全体的にくまのプーさんの絵柄があしらわれて華やかだが、そのせいで「おしっこお知らせライン」が見づらい。
<検証結果>
3製品の中で最も手触りが良く、子供ウケが良さそうなデザインになっている。
逆に、3製品の中で最もサイズが大きい。
新改良の「のび~るフィットギャザー」も良いが、なんとなく全体の大きさで後ろ漏れをカバーしているような印象。
手触り、肌触りはダントツ!
【Merries/メリーズ(花王)】
「通気性No.1」のメリーズ。
通気性を謳う「さらさらエアスルー」効果と、凸凹構造の「エアリーメッシュ」で通気性バツグン!
更に新採用の「軟便ひきこみシート」で、うんちの水分までも吸収してくれるため漏れにくく蒸れにくい構造となっている。
現在「テープタイプ」は、中国圏からの買い占めで流通量は極めて少ない。その影響で店舗やネット通販での販売価格が高騰している。
<特徴>
● 通気性ばつぐん!
● 新採用の「軟便ひきこみシート」
● やわらかさアップ
● 通気性ばつぐんの「エアリーメッシュ」
● 圧倒的な吸収速度
<絵柄/キャラクター>
● うさちゃん (※メリーズオリジナル?)
<検証>
● 収納された状態
▲パンパースよりも若干大きく、ムーニーよりも若干小さい、手頃なサイズ。折り畳んだ厚みは3ブランドともそれほど差は感じない。
● 展開した状態(上)
▲何の抵抗もなく展開できる印象。3ブランドの中で最も薄い触感。
● 展開した状態(横)
▲3ブランドの中で最も立体感が無い。立体サイドギャザーも直線的。
● サイドギャザー
▲全体的に平坦で直線的な構造の為、立体サイドギャザーが自然と立たない。テンションも弱い印象。
● 給水シート
▲独特の構造で「吸水性」と「通気性」が良い。「軟便ひきこみシート」構造。手触りは良いが厚みのある触感はそれほどでもない。
● テープ
▲テープ部の手触りが他と異なる為、暗い場所でもテープを探しやすい。何度でも張り替えが可能。
● おしっこお知らせライン
▲全体にあしらわれたカラフルなデザインに埋もれるように、薄いイエローかつ細い3本線のラインが非常に見つけにくい。
<検証結果>
3製品の中で最も特徴が少なく、簡易的な構造。
通気性や吸収性の限界値を超えると、横漏れや後ろ漏れしてしまうほど密着感(立体感)が無い。
【吸水実験】
3ブランドを並べ、それぞれに100cc(100ml)ずつ加水して「吸水性」と「給水量による変化」を調べてみた。
● 100cc
▲この程度であれば、どのブランドも一瞬で吸収する。表面もサラサラ。
● 200cc
▲まだまだ余裕で吸収する。表面を手で触ると塗れた感覚は伝わってくるが、まだサラサラしている。
● 300cc
▲吸収するタイミングが鈍くなってきたが、まだしっかり吸収する。表面を触ると、さすがに「濡れている」という感触。給水シートはジェルのようなものが膨らみ、かなり厚くなってくる。
● 400cc
▲なんとか吸収していくが「ムーニー」と「メリーズ」は表面に水滴が残ることもあった。時間が経てば吸収されていた。既に給水シートは更に膨らみ「1cm」程度の厚さに。
● 500cc
▲通気性バツグン!を謳う「メリーズ」の表面に水分が残るようになった。ムーニーもそろそろ苦しそう。パンパースは水滴を残さず吸収していったが、そろそろ限界だろう。
<実験結果>
あくまで「吸水量」に特化した実験だったが、最も優秀だったのは「パンパース」だった。
逆に吸水性と通気性を謳う「メリーズ」は、最も給水効率が悪いという結果に。
おしっこを500ccも出す前に、子供が泣いて知らせてくれるなり、親が気付くなりして交換すると思うが、もしおしっこをたくさんしてしまい交換が出来ない状況ではメリーズの漏れが最も心配。
そして10分後…
放置してみて、改めて表面を触ってみたらビックリ!
メリーズは10分前とそれほど変わらない濡れ具合だったが、「パンパース」だけがサラサラした手触りになっていた。逆にムーニーが最も濡れていた。
これには驚き!
「最長12時間吸収」と「通気性アップ」に、より信頼度が増した。
<給水シートの長さ>
給水実験を行ってみて気付いたのが給水シートの長さ。
▲パンパース(写真左)が最も短いのかと思っていたらそうでも無かった。ムーニー(写真中央)はおむつサイズに比例して長い。メリーズ(写真右)がわずかではあるが最も短く腰回りの面積が大きい。
【総評】
あくまで個人的な見解ですが、検証結果と実験結果から感じた印象を星(★)評価してみたいと思います。
● 密着性
・パンパース ★★★★★(5点)
・ムーニー ★★★★☆(4点)
・メリーズ ★★★☆☆(3点)
※密着性に関しては、赤ちゃんの体格や体型の個人差があるので一既には言えないが、構造を見る限りでは「パンパース」に軍配が上がる印象。
※ただ、比較的小さいのでサイズ選びには注意したほうが良さそう。
● 吸水性
・パンパース ★★★★★(5点)
・ムーニー ★★★★☆(4点)
・メリーズ ★★★☆☆(3点)
※吸水性はメリーズかと思いきや「パンパース」に軍配。しかし、給水実験のようにおしっこを500ccも出す前に交換すると思うので、その場合はメリーズにも期待できる。
※ムーニーは可もなく不可もなくで安定している。
● 通気性
・パンパース ★★★★☆(4点)
・ムーニー ★★★☆☆(3点)
・メリーズ ★★★★☆(4点)
※通気性は「パンパース」と「メリーズ」に軍配。
※ムーニーは給水シートの濡れた状態が続くのでマイナス点。
● 経済性
・パンパース ★★★☆☆(3点)
・ムーニー ★★★★☆(4点)
・メリーズ ★★★☆☆(3点)
※パンパースは比較的高めだが、店頭価格やネット販売価格を見てみると、それほどでもないのが現状。
※本来メリーズは比較的安価な商品で人気もあったが、中国圏の買い占めの影響もあり驚くほど高騰している。
※ムーニーは安価で安定した価格推移で高評価。
<総合得点>
・パンパース 17点/20点
・ムーニー 15点/20点
・メリーズ 13点/20点
個人的な現時点での評価は「パンパース」が最も印象が良い結果となりました。
パンパースには更に高品位シリーズで紫色パッケージの「はじめての肌へのいちばん」シリーズがあります。
これは「かぶれない」「モレない」「やわらかい」の3大要素に徹底的に拘ったシリーズです。少々高価ですが、お肌が敏感なお子様や、更に上質なおむつをお求めの方にはオススメです。
とはいえ、何度も言うように、もっとも適するおむつ選びには個人差があります。お子様の体格や体型に合ったおむつが、この検証(実験)結果と同じとは限りません。
そして、日進月歩で改良され品質や機能も向上し続けています。
僕の周りでもそれぞれ評価は異なりますし、この3ブランド以外のブランドを愛用している方もたくさんいます。
今回の検証(実験)も、現時点での3ブランドの「テープタイプ」「Sサイズ」に限った結果で、時期はもちろん、サイズが変わったり、パンツタイプになれば違った結果になるでしょう。
ですので、この内容や結果は“はじめてのおむつ選びのヒント”としてご活用いただければ幸いです。
ご自身のお子様に合う紙おむつが見つかるまで幾つかの商品を試し「ウチの子にはこのおむつが一番!」というものが見つかれば、それがお子さんにとって最も良いおむつだと言うことでしょう。